2012年11月30日金曜日

そうだエチオピアへいこう ~歴史都市ラリベラ①~

ここでの目的は、世界遺産にも登録されている岩窟教会を訪ねること。
13世紀に巨大な一枚岩を彫って作り上げた建築群です。
では、さっそく写真を。
クロス型の教会
周辺を掘りぬいて作った建築。もちろん内装も削って作られている。
というように、こんなんどうやって作ったん!?と驚きを隠しきれません。町の中心部にある12の教会は岩をくり抜いたトンネルで全て繋がっているそうです。世界不思議発見!です。

ラリベラは陸の孤島。飛行機なら首都から1時間ですが、陸路での移動は2日がかり。ウガンダなら歩いていればどこかに着きそうな、なだらかな地形ですが、エチオピア北部は断崖絶壁、谷や崖に阻まれてまっすぐ進むことは到底出来ません。、そして乾いた大地、生い茂る緑は見当たりません。そんな世界の果てのような場所に高い文明をもつ王国があったというのですから、謎は深まるばかり。

ここに住む人々にとってこれらの教会は今も信仰の対象です。老若男女問わず、教会を通るときには跪き地面に口付けし、十字をきっていました。わたしが訪ねたのは日曜日。多くの人たちが朝早くから石畳の道を岩窟教会へ向って歩いていきます。白い布を巻く人々の行列とともに歩いているとタイムスリップしたような感覚にとらわれます。その光景は神聖で、何百年と受け継がれてきたであろう信仰の深さを垣間見ることができました。

午後からは、町から離れた山の上にある教会へ。
ここは車が通ることのできない道のため、ミュールというロバと馬を掛け合わせた頑丈な乗り物(?)にのって向います。
傾斜の激しい道を登り、村々を通りすぎていきます。
小麦畑が黄金色で風になびいていました。溢れる緑の中で暮らしてきましたが、久しぶりに寂びた風景を眺め懐かしい気持ちになります。
山道を登ること1時間半、教会に到着すると司祭が外出中ということでご飯にお呼ばれ。
絶壁をくり抜いた場所で、お食事を分けていただきました。

こちらのインジェラは厚めでふかふか。ワットは豆とジャガイモ。素朴で美味しい、エチオピア料理レベル高し。飲み物は、モルト地酒です。うーーーん、こっちは味なしでした。

司祭到着後、教会へ案内していただき見学。
そして、山の天辺から見る風景の壮大なこと。広大な海は航海することができますが、広大な荒野は何者も寄せ付けない毅然としたものがあります。この世界に生まれれば、ただただ自然の前で頭をたれるしかないだろうと敬虔な気持ちになります。

帰り道、小さな村落からすすり泣く人の行列、白い布が巻かれた担架とすれ違いました。村で3歳の子供が亡くなったそうです。村の人たちが向う先は、わたしが訪ねた教会。今も村の人の暮らしの一部であり、信仰の対象であり、命と密接に繋がっている場所です。

そうだエチオピアへいこう ~プロローグ~

4泊5日エチオピアの旅。
行く前に友人からいろいろ情報を収集していました。
最高!という人もあれば、顔をしかめる人もあり。見所は多いのですが、一筋縄ではいかない国という印象。

エチオピアは、アフリカの中で稀にみる植民地化されたことがない国です。一時期イタリアの支配下に置かれたことはあるようですが、占領からは免れています。
そういった歴史背景もあってのことか、エチオピア人は自分たちのことをアフリカ人とは言いません。
“われわれは、エチオピア人である。”
独自の文化、伝統、宗教、言語、文字などをもつ誇り高い民族です。

到着後、市内に行くものの、もろもろのトラブルに振り回され航空会社で立ち往生。早くも出鼻を挫かれ、がっかりのところですがエチオピア人の懇切丁寧かつ手際の良い仕事っぷりに、ウガンダじゃありえないわ、と感心。しかし、残念なことに当初予定していたゴンダール、ラリベラという世界遺産の地2本立ての計画は崩れ、ラリベラ一箇所の訪問に変更。

その後、首都在住のボランティアと落ち合い、あちこち案内してもらいました。行く先々で感動の嵐。小さなカフェでコーヒーを飲めば、やけに美味しくて感動。お釣りを返すときにもう一方の手を添えていて感動し、“Thank you.”と言ってもらい感動。礼儀正しく控え目な対応にすっかりエチオピア人びいき。“エチオピアさいこー!”と連呼しておりました。

何より、旅の醍醐味は食べ物。
これが期待を裏切らない美味しさなのです。
町のレストラン
AMBOはソーダ水。ラベルすてき。
主食はインジェラ。見た目はクレープのよう。テフという粉を使用し、生地を3日ほどおいて発酵させたあとに鉄板で焼いています。酸っぱくて、ふわふわで、味わい深いのです。そこにワットと呼ばれるソース兼おかずをのせ、インジェラをちぎり包みながら食べるのがこちら流。ソースはスパイシーで、これまた絶品。種類も豊富で4泊5日じゃ全てを網羅できないという悲しい事実に気づき、日程が悔やまれます。

夕食は、伝統ダンスを見ながらいただきました。
こちらは、懐石風?いろんなソースが少しずつ盛られています。遅いランチでお腹いっぱいと思っていたのですが、食べずにはいられない。あぁ美味しい~。

伝統ダンスも東アフリカ圏のダンスとはがらっと変わって、メロディー重視。民謡のよう。そして、腰ではなく肩をこれでもかというくらい前後左右に動かして踊ります。
そうそう、人の顔立ちも大違い。肌の色は浅く、アラブ系の鼻筋の通ったすっきりとした顔。美男美女がそこかしこで見られます。

初日にして、異文化の波をがっつり浴び、快いカルチャーショックを受けたのでした。

2012年11月29日木曜日

進展

週末から4泊5日でエチオピア旅行へいってきました。
これが旅行納めということで、じっくりとひとり旅。満喫してきました。
はりきって旅行記! の前に職場での進展をお知らせ。
遊んでばっかじゃないんだよ、というアピールをこめて。

これまで、カワンダ近隣に住む女性に向けてクラフトを通じた収入向上を働きかけてきました。メンバーの顔ぶれも定まり、グループの核となるメンバーも育っています。また、販売先も確保し、なんとかJICA関係者への販売だけに頼らず売り上げを伸ばしています。

今年の1月から月に一度の定例ミーティングを始め、グループを組織化しようとメンバーと共に試行錯誤をしてきました。
メンバーが行政へ提出するための書面を作成し、各地域の代表からレターを集め、何度も何度も県庁へ足を運び、やり直しを繰り返していました。
11月22日、約一年越しでKASICA(Kawanda Silk Craft Association)が正式にクラフトグループとして行政に登録されました。
左から、AISHA, HOPE, LIZ, SHAKIRA
SHAKIRAの子供たちNYONYO, JONAH




これは私が働きかけたことではなく彼ら自身が必要性を感じ、投げ出すことなくひとつひとつの課題をクリアして行き着いた結果です。行政の面倒な手続きをクリアできたのは、自分たちの組合だという当事者意識がなければできないことだと思います。

グループはゆっくりと着実に歩んでいます。

2012年11月14日水曜日

自給自足

ここにきて問題が浮上。
これまで糸を購入してきた工場との取引停止が正式に決まりました。

はぁ~。

理由は、海外への輸出で忙しいから。少量のオーダーなんかに構ってられるかみたいな?
今までも散々待たされてきたのですが、このところは販売先が安定し、こちらも生産量が上がってきたため待ってばかりもいられません。
いつものことながら腹立たしいことを数え上げればキリはないのですが、サッサと見切りをつけて対策を考えております。

名づけて
“自給自足プロジェクト”

NSCには、糸を作るための設備もある、繭も少しだけどある、作り方の猛特訓を受けた優秀なスタッフもいる、メンバーのやる気がある。
これだけあれば十分じゃないですか!

というわけで先週木曜日に座繰り講習兼生産を1日でがぁーーーーーっとやりました。繭は収穫して約4日経過。これ以上放置すると蛾になっちゃうということで、強行スケジュールであります。

無理も無謀もひっちゃかめっちゃかで、とにかく糸は出来上がりました。
女工哀史のような苦味はまったくない、カラッとした気候と女性たちによる完全手作りシルク糸。
蚕を育て、糸作りから商品制作まで、全てわが町カワンダで行われております。

100% Made in Uganda ならぬ
100% Made in Kawanda です。

2011.03 より
*優秀なスタッフのひとりであるホープさん、いや、ホープさま。

2012年11月10日土曜日

新規開拓 その後

以前にご紹介しましたPRUNESマーケットですが、評判上々のため(?)美人オーナーにお願いし、月2回の参加となりました。万歳。

少しアップが遅くなりましたが、マーケットの模様を写真を中心にお伝えします。

われらのブースはこんな感じ。
見所は、この折りたたみ可、持ち運び自由自在の棚でございます。割り箸でミニチュア作って大工さんにオーダー。オリジナルです。
UG SILK のれんも必見

離れてみるとこんな感じ。
手前は花屋さん、奥は大人気の野菜市場
カフェの方はこんな感じ。
ここはウガンダです。   
肝心の美人オーナーショットは!?
任務を忘れて、せっせと商売に走っておりました。
大変申し訳ございません。
気長にお待ちいただければ幸いです。

新商品もちょこまか出してます。
チテンジ・ピアス(東アフリカのプリント生地)

お花のパフホルダー
朝から活気溢れるマーケットにお客さんの財布の紐も緩みっぱなしとみえて、相変わらず売り上げ好調。わたしも、メンバーの目を盗んで個人的なショッピング。いろんな種類のチーズやらピクルス、焼きたてパンなんかもあって、ご満悦。しばしムズング・タイムをエンジョイしました。

2012年11月5日月曜日

おすすめ

映画みました。
感化されやすいわたしは、すっかり余韻にひたっております。

WAR DANCE
ウガンダ北部紛争地域の子供たちを題材にした映画。
全国音楽コンクールへの出場に向けて奮闘する子供たちとその子達の背景を追ったドキュメンタリーです。北部の部族の音楽とダンスがたんまりと盛り込まれていて、リズムと躍動感にドキドキ。

平和で呑気な暮らしをしていて、忘れがちなウガンダの一面。
これが全てじゃないけど、これもある。

秋の夜長によろしければ、ぜひ~。