2012年8月19日日曜日

ド☆素人 キリマン登山日記③ アタック~下山篇

24時真っ暗な中いよいよ出発。他のグループもたくさんいるので、渋滞前に早く出発したいとのこと。ヘッドライトを着けて呼吸を乱さないようにゆるりゆるりと歩き始めます。それまでも、ゆっくり歩いてきたのですが、ここでは一段とスローペース。やっぱり空気が薄いのか、それでも息苦しい。傾斜もきつく、足場も悪いため、どんどんメンバーとの距離が開いていきます。見かねたガイドさんにより、グループ分割。わたくし2軍に降格。1軍4名と2軍2名で再スタート。そのとき既に、荷物も持ってもらい手ぶらで歩くのみ。でも、しんどーい。

登山3日目のころ見かけた光景。西洋人グループが列をなして、呼吸法を実践。シューーーー、ハァーーっと音を出しているのをみて、ダースベーダやん。ププっ。♪ダースベーダーのテーマ曲♪を口ずさんでネタにしておりました。そしてアタック当日、まさにダースベーダーなわたし。ぷしゅーーーーー、はぁーーーっていいながら険しい顔で足を運ぶ。笑って、ごめんね。

立ち止まって、空を見ると星が近くて驚きます。飛行機が通ったのかと思うほど、眩しくて長く尾を引く流れ星を見たり、眼下に月を見たり、目の前の光景はいつもと違ってきます。

歩けども歩けども、一向に進んだ気がしないし、休憩も多くなっていきます。休憩の度に、ガイドさんがエナジードリンクを出してくれたり、生姜の紅茶を飲ませてくれたり、彼らの献身的な介護(!?)に頭が上がりません。道の途中にはダウンしてうずくまる人や下山を拒み泣き叫んでる人もちらほら。。。
わたしと同じようなペースで登る別グループのご年配白人男性。随分疲れた様子なのですが、ガイドさんが彼の手袋をとって冷たい手に息をかけて暖め励ましています。それだけでも涙しそうになったのですが、スワヒリ語の民謡のような優しいメロディーを歌っていて、涙。自分の臨終間際にはこの光景を思い浮かべそうです。

5000mを過ぎるころ、空が明るんできます。山すそから太陽が静かに昇ってじんわりと赤く、まだ欠けた月も浮かび、微かに星の光も残る空の景色。
気を取り直して、歩き続ける。前を見ると頂上の遠さに心折れるので、足元だけを見る。

歩くこと約8時間、ステラポイントという頂上に到着!ただこちらは、本当の頂上ではありません。天辺ではありますが、別にウフルピークという天辺の頂上があるのです。登っている途中、ステラを頂上ということにして、ウフルは黙殺してしまおうと思ったのですが、頂上に来るとまた少し元気が戻ってきて、歩くことに決定。
頂上から降りてくる1軍とも途中で出会い、抱き合う。こちらの1軍、超人ぷりを発揮し、頂上で熱唱するという偉業を成し遂げていたようです。いやぁ~恐るべし。そして、彼女たちはガイドたちの間でも伝説となりました。そこから歩くこと約1時間。今度こそ、キリマンジャロの頂点!
ウフルピーク
感動も頂点。
頂上付近には氷山や雪も残っています。真っ白な雲が遠い下の方にあって、白い雪、白い氷山、真っ蒼な空には白い月がぽっかり浮かんで、別の世界に来たみたい。随分遠いところへ来たもんだと、胸が熱くなりました。

登ったら後は下るだけ。9時間以上かけて登った道を一気に駆け下りるのですが、やっぱり足腰が弱っていて、ここでもゆっくり。そして、下り中盤、恐怖の腹痛。お腹をこわした模様。しかし、周辺はガレ場で身を隠す場所なし。。。理性で捻じ伏せる。ここでもガイドさんの献身的な介護によって、意識朦朧としたままキャンプ地へ。

夜中12時に出発し、9時頃登頂、キャンプに戻ってきたのは昼2時。仮眠を1時間ばかりとって、向う先は次のキャンプ。うひょ~。
3100mのキャンプ地まで一気に下る。到着したのは夜8時前。ほぼ丸一日歩いたわけです。そして、ガイドの皆様は休憩も仮眠もとることなく我々の介護をしてくれたわけです。。。頭が上がらない、足を向けて眠れないですね。

このようにして、キリマン登頂を達成することができました。
感謝。

3度のつもりでしたが、番外篇としてキリマンその後をお伝えしたいと思います。長くなりますが、どうぞよろしくお願いします。

3 件のコメント:

  1. 雅男父さんと同じ経験 すばらしいですね!!!
    おめでとう!!

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    1. 父からの唯一のアドバイスは、「キリマン登れ」だった気がします。意外と名アドバイスでした(笑)

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